「有終の美」

  • (日経/春秋 2012/8/14付) 「有終の美」なる言葉は、詩経の「靡不有初、鮮克有終」に由来するそうだ。読み下すと「初め有らざるは靡(な)し、克(よ)く終わり有るは鮮(すく)なし」。初めは誰だって頑張るが、最後までやり遂げるのは容易じゃない――というわけだ。振り返ればこの祭典のあいだ、毎日なんらかのメダルを得て世界をうならせたニッポン選手陣だ。それが積み重なって総数38個。堂々の最多記録である。それにしては「金」が少ないのでは、と茶々を入れる声も聞こえる。たしかにそこは今後の課題だとしても、われらが総合力は誇ってあまりあろう。4年後はリオデジャネイロだが、じつはその前に、五輪をめぐる大きなヤマがある。東京も名乗りを上げている2020年大会の開催地決定が、来年9月なのだ。いまのうちに機運をうんと盛り上げて、長い招致レースを勝ち抜けるかどうか。有終のゴールを見たい。
  • (JN)2020年の東京オリンピックの開催は別として、島国根性の小さくて野性味を失ってしまった日本人でありながら、オリンピックで活躍された選手の方々のその継続的努力に敬意を表します。この世界で成果を上げるためには、継続的努力と異文化との積極的な交流であろう。スポーツ以外でも、若者たちには、日本から積極的に出て行き、世界に揉まれて欲しい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44955920U2A810C1MM8000/