今また関西企業に商機が広がっている

  • (日経/春秋 2012/8/13付) エアコンが普及する前、電車のなかの天井には、円を描くように首を振る扇風機がたいてい付いていた。日本に広がり始めたのは昭和の初め。量産に力を入れたのは神戸に本拠を置く川崎造船所、現在の川崎重工業だ。英国企業から技術を取り入れ、「川崎型」と名づけて売り込んだ。そのころ川崎造船所鉄道車両や飛行機の製作も始めていた。暑さも事業のタネにして、扇風機にも手を広げるとは商魂たくましい関西企業らしい。冷房の電車は1936年、南海電気鉄道が走らせたのが始まりだ。ライバルの鉄道会社から利用客を奪うことができた。車両の空調装置の技術を開発したダイキン工業はその後、業務用や家庭用のエアコン事業を拡大していった。今また関西企業に商機が広がっている。関西は電力需給が逼迫する心配があり、エアコンなど電気を使う製品は省エネルギーを強力に進めることが社会から求められる。企業は腕の見せどころだ。ほかの地域が追随するような関西発の新しい商品や技術を、再び送り出すときだ。
  • (JN)文化は西からやってくる。関西の発想が日本を支えてる。西ばかりでなく東からも革新的に商品を生み出したい。窮地から常に立ち直る日本である。今ある中に、思わぬものが潜んでいるはずである。それはモノだけでなく、考え方も。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44906150T10C12A8MM8000/