大阪府、「都」構想の展開、グッとこない

  • (JN)大阪は東京都と同じにする必要はない。特別区方式が本当に良いのであろうか。大阪は大阪文化を中心とした都(みやこ)を築いていけば良いのではないか。人間味のある行政を考えてほしい。
  • (日経/春秋 2012/8/2付) 大阪にも警視庁があった。1949年だから戦後の混乱期。全国に自治体警察が置かれていたころだ。大阪市警察局は「大阪市警視庁」と名乗って浪速のまちを守り、悪いやつらにニラミをきかした。やがて警察法の改正で警視庁を置けるのは東京都に限ることになり、大阪のほうはやむなく看板をおろす。「警視庁」を擁した歴史は、東京なにするものぞの気概をあらわして興味深い。注目の「大阪都」構想にも、大阪人のそういう対抗心が横たわってはいるのだろう。構想を後押しする法案が今国会で成立の運びだ。大阪市を解体し、東京のような特別区に再編できるという。しかし、どんな効果を持つのかも要領を得ない。へたをすれば行政や議会が焼け太りしよう。この法案、市長を敵に回したくない与野党7会派の共同提出だ。先日、橋下さんは文楽を鑑賞して「グッとくるものがない」と腐していた。「都」構想の展開もグッとこない。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44448310S2A800C1MM8000/