さぼる国会の姿

  • (JN)つまらない国会より、オリンピックに興味は行ってしまう。国会は何をやっているのか。デモ隊に対する対応はどうなのか。東電は税金で賄っていく。暑いので、仕事が終わったら冷たいビールを飲んで騒いで、寝てしまいたいところであるが、公民はしっかりせねばならない。
  • (日経/春秋 2012/8/1付) 法を電波にたとえたのは6月に死去した元最高裁判事の団藤重光さんだ。無数にとびかう電波にいつもは気づかないでいるのに、テレビやラジオのスイッチを入れれば目に見え耳に聞こえてくる。同じように、普段は意識しない法の存在を何かの折に触れて感じる――。衆院選参院選のたびに「法の下の平等」を定めた憲法14条を意識し、それが軽んじられていると感じるからだ。やっと参院の「4増4減」案がまとまり、この国会で成立の運びとなった。最大格差は5.12倍から4.75倍に縮まるのだそうだ。あまり品の悪い言葉は使いたくないが、これで是正とは「ちゃんちゃらおかしいやい」である。団藤さんは1983年の参院定数訴訟の大法廷判決で、怠慢、つまり是正をさぼることまで国会の裁量権とするのは許されるのか、と強い疑問を投げかけた。電波はオリンピックの熱戦に占領されがちでも、さぼる国会の姿だってよく目に見え耳に聞こえている。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44403220R00C12A8MM8000/