消費税と新聞 文化と民主主義を守るために

  • (JN) 新聞を購入している人々は活字離れになっても多く存在しているが、人々はその新聞情報の何を欲して購読しているのであろうか。投票率が50%を下回る国民の新聞の利用は知れている。新聞に対する消費税の軽減は、文化と民主主義を守るためになるというが、そうなのであろうか。
  • (8月3日付・読売社説) 欧州諸国では、新聞や書籍に対する付加価値税を低く抑える軽減税率を採用している。活字文化と民主主義を守るため、日本でも今回の消費税率引き上げで、軽減税率を導入すべきである。日本の消費税に当たる欧州の付加価値税は、税率が20%前後と日本より高いが、新聞に適用される税率は、ドイツが7%、フランスが2・1%、イギリスが0%などに軽減されている。新聞が、国や地方の政策や多様な言論を伝えて判断材料を提供するなど、民主主義を担う「公器」として認識されているからだ。超党派の国会議員でつくる「活字文化議員連盟」は、新聞や書籍などに現行税率5%の維持を求める声明を出した。「日本の活字文化保持の中枢の役割を果たしてきた公共性は極めて高い。消費税率引き上げは国民の活字離れを加速させる」と強い危機感を示している。野田首相は「様々な観点から検討する。外国の事例の検討も大事な要素だ」と応じた。社会保障制度を安定的に維持するには、将来的に消費税率を10%超に引き上げる追加増税を視野に入れざるを得ない。家計の負担感をやわらげ、国民の理解を得るためにも、軽減税率の導入が効果的だ。軽減税率の対象に何を選ぶかは、第三者委員会のような組織で検討したうえで、政治が責任を持って判断すべきである。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120802-OYT1T01660.htm