タイの中央銀行は通貨バーツの変動相場制への移行

  • (日経/春秋 2012/7/3付)15年前のきのう。タイの中央銀行は通貨バーツの変動相場制への移行を発表した。そしてバーツは暴落した。その衝撃波はアジア全域、さらに世界に及んだ。いわゆるアジア通貨危機だ。韓国は国際通貨基金IMF)に助けを求めて駆け込んだ。マレーシアはいわば金融鎖国を余儀なくされた。インドネシアスハルト大統領の独裁体制が倒れるなど、政治の大変動も生んだ。当時のスハルト大統領が構造改革などを約束した文書に署名するのを、フランス出身のカムドシュIMF専務理事が腕組みして見下ろしていた。スハルト大統領の威信は傷付き後に政権が崩壊する一因となった面もある。そして1997年の教訓がアジアに根付いた。各国の政府は経常収支の赤字を避け黒字を積み上げようとする努力を強めた。おかげでリーマン・ショックアジア諸国にもたらした打撃は比較的軽かった。対照的に、カムドシュ専務理事を生んだ欧州は深刻な金融危機に苦しんでいる。皮肉な逆転劇と言うべきか。

=>(JN)人間痛い目に合わないと、なかなか現状を改善できない。太っていても、それで生活できれば、どんどん太っていく。ある時点で、健康についての警告されるてもなかなか改善できない。結局、病気になり初めて生活を改善するのである。でもそれは長続きしない。のど元過ぎれば熱さを忘れるのが人間である。しかし、窮乏化が進む国会におては国家間の暴力行為に発展することもある。そのことは忘れてはならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43317690T00C12A7MM8000/