環境に合わない姿に進化してしまった巨大生物は絶滅していった

  • (日経/春秋 2012/6/29付)ロンサム・ジョージが死んだと聞いて、悲しさよりも、底知れぬ寂しさに襲われた。年齢は推定100歳。ガラパゴス諸島に生き残っていたピンタゾウガメの、おそらく最後の1頭だった。世界中の生物学者が、あの手この手で繁殖に励んだが、試みはすべて失敗に終わった。何でも知っているような顔をして、焦る人間を尻目に孤独を楽しんでいる節もあったという。日本のガラパゴスの住人はどうだろう。「ガラケー」、海賊版の音楽や動画のダウンロードを厳罰に処す法律、保護や規制に頼りすぎれば、世界の流れを見失う。気候の変動や人類の出現で、環境に合わない姿に進化してしまった巨大生物は絶滅していった。ジョージは自分の命運を悟っていたのかもしれない。日本経済には、孤独を楽しむ余裕はないけれど。

=>(JN)私たちの資本主義は、閉鎖的に一国主義ではいられない。これは世界革命を目指した共産主義も同様である。ガラパゴス鎖国のように閉じこもっていることはできない。環境に耐えられないものは、グローバルという怪物に呑み込まれる。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43142690Z20C12A6MM8000/