木川田さんが言うなら信頼しましょう

  • (日経/春秋 2012/6/28付)1970年代初めの石油ショックのとき、燃料費高騰を理由に東京電力が申請した電気料金引き上げの公聴会で消費者団体から、「木川田さんが言うなら信頼しましょう」。東電は思わぬ援軍を得て値上げにこぎ着けた。このときは会長になっていた木川田一隆氏は、経済同友会代表幹事として早くから公害対策に取り組んだ。政治献金も取りやめ、追随する動きが出た。電力会社の「地域独占」体制づくりを推進した一人だが、世間が評価する実績もあった。福島第1原子力発電所の事故後、東電と社会のコミュニケーションは目詰まりを起こしたままだ。料金引き上げは、経費が不透明などとして猛反発を浴びている。説明が不十分で自己弁護に終始しては、これからも理解は得られそうにない。新経営陣は、社会と十分な意思疎通ができるだろうか。自由競争と縁遠かった社風を改めることも忘れてほしくない。

=>(JN)政府も東電も、国民からの信頼を失っている。過去の原発の政策は別として、国民も、政府も、東電も、まずは震災の被害者である。その中で、足を引っ張り合うのではなく、信頼関係を築き、自分たちの将来を考えたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43097980Y2A620C1MM8000/