コーヒー豆の高騰に『筆洗(241201)』は思う▼戦争中の日本、コーヒー豆が輸入されなくなり、カラス麦や黒豆でこしらえた代用コーヒーを飲んだそうだ▼重商主義のフリードリヒ大王はコーヒー豆の輸入を嫌い、国民のコーヒー消費を抑え込もうとしたが、国民はコーヒーを飲みたくて、代用コーヒーの開発▼最近のニューヨーク市場で、アラビカ種の先物価格が一時、1977年以来の高値を付けた▼世界最大の生産国ブラジルの干ばつと高温が影響▼生産2位のベトナムもやはり気候不順を受け、不作。この分ではコーヒー1杯の価格が上がるだろう▼逆にコーヒーを「代用」した歴史もある。30年代のブラジルの話でコーヒー豆を石炭代わりにして蒸気機関車を走らせたという。コーヒー豆が出来すぎ、価格の下落を防ぐためだったとか。その時の豆があれば。
(私は)思う。コーヒーを飲まなくたって生きていけるよ。でも、あの香はなんと誘惑的なのか。その香りに誘われコーヒーを飲み、その苦い世界にまた引きずり込まれる。半世紀前は喫茶店でのコーヒー1杯が貴重であった。今では1日3回ぐらい飲むだろうか。値上がりした分、何かで代用するのか。日本の職人たちが新たな商品を生むだろうか。