原爆を詠む 240807

 「句集広島」に『天風録(240806中國新聞)』は思う▲〈春泥に馳せくる子あり亡き子かと〉▲脳裏に残る悔恨の思いを17文字、31文字に刻んできた人たち。広島の被爆者、切明千枝子さんもその一人。原爆の日の94歳にして初の歌集を出す▲<この手にて亡骸荼毘に付せし日よキャンパスに戻り息絶えし友の〉。母校の女学校で命を落とした級友たちの光景だ。〈「かあちゃんを探して」と私のモンペの裾掴みたる子今も離さぬ〉。叔父の安否を求めた病院で会った少女はずっと頭の中に▲証言活動で交流する大学院生の佐藤優さんが編者として歌集刊行を担った。そこに継承へのヒントがあろう。時代は変われど「句集広島」編者の言葉とも相通じる。あの日を永遠にとどめよう、と。
 (私)は思う。この平和記念式典に全世界の国々に代表者の出席を呼びかけるべきではないかと。ロシアやイスラエルの代表者も勿論。世界の人々に、原爆や戦争の悲惨を語り、平和を訴えることだ。数日をかけて、広島平和記念資料館原爆ドームを見て、経験者の語りを聴き、句集を読んでもらいたい。核戦争に勝者はいない(ゴルバチョフ)。