為政者の判断は 231223

 膨張が止まらないのが大阪・関西万博を巡る諸費用に『余録(231223)』は思う▲始まったら止まらない公共事業にブレーキがかけられた事例▲1657年「明暦の大火」で天守閣が焼失したため幕府は再建を図り、加賀藩の普請で天守台を築いた。ところが、保科正之は「天守閣はもともと実用的なものではない。今、人力を費やすべきではない」と意見し、建造は見送られたと▲会場建設費が2350億円、今度は運営費が1160億円に。国費による負担分は1647億円に▲別に関連のインフラ整備費が9・7兆円、8390億円分が万博に直接関係すると▲予算を削る具体策は見えない▲着工後であっても方針を見直すくらいの柔軟さ、大胆さが必要ではないか。江戸期の為政者の判断はいまも、たたえられている。
 (国民に)還元される税金は何処へ飛んでいくのか。自分の懐のカネでないから大盤振る舞いか。この膨張を続ける支出を止める能力のある為政者はいない日本はこのままどうなって行くのか▲未来に借金と箱を残して行くその仕事を改められないか。削る、止める、ことの発想と、それを行える能力を持った為政者を我々は選ばねばならない。