お答えを差し控える 231212

 政権中枢の裏金疑惑に『日報抄(231210新潟日報)』は思う▼「ミスをしないのは何もしない人間だけだ」(セオドア・ルーズベルト)▼松野博一官房長官▼良く言えば失言することもなく手堅い。ひたすら安全運転。「政治家は言葉が命」と言われるが、この人の言葉からは何かを理解してもらおうという熱がなかなか伝わってこなかった▼自身に疑惑が持ち上がると、そうした姿勢はいっそう顕著になった会見でも国会でも「お答えを差し控える」をひたすら繰り返した。合理的な説明ができないからだと受け取られてもやむを得ない▼政権の要である官房長官がまさしく立ち往生する事態に陥った。疑惑はほかの政権幹部にも広がりを見せている。政権に吹く逆風は大嵐の様相を見せ始めた。
 (私は)言いたい。意味不明の説明を日々、国会中継で見せられている、このような態度に我慢の限界である。というより、カネありきの政治をやめてほしい▼そんなにごまかしてまで、なぜかねが必要なのか。カネは国民の生活に使うものである。その仕事をしてくれる言葉の話せる政治家を求む。

*画像は2023年12月10日の日経より。