喜怒哀楽を上手に 231129

 ある医療チームの研究で、犬を飼っている高齢者は、飼っていない人に比べ認知症になるリスクが低いことが分かったことに『編集日記(231129福島民友)』は思う▼飼育している人のうち、運動習慣があったり、社会的に孤立していなかったりする方が、さらに低い傾向だった▼犬は、ときに人より人間くさいしぐさや態度で心の垣根を越える。生活を共にする頼れるパートナーといったところ。片や人間は、摩擦を避けようとする心がそうさせるのだろうか。感情を出さずに済ませる関係が増えているようにみえる▼だからといって、孤立しがちな高齢者の方に犬を飼いましょう―と勧めて済む話ではない。隣近所や町内会のつながりのなかで、喜怒哀楽を上手に出し合い接点を増やすのもいい。
 (私が)散歩をする際、必ず犬に連れられた人に遭遇する。犬はかわいい。目が遭うと寄ってくる。これをそのまま人間が行うと、「気持ち悪い爺さんだ」「眼をつけるんじゃないよ」となってしまうか▼人間は可愛くないね。言葉の通じない犬と一所懸命コミュニケーションを取ることが大事なのか。とにかく、犬だけでなく、喜怒哀楽、黙っていないで、訴えかけよう。