秘密のベールに覆われた機密費 231130

 石川県の馳浩知事の機密費にかかる発言を撤回したことに『日報抄(231129新潟日報)』は思う▼1995年6月、羽田発函館行きの旅客機がハイジャックされた。同年3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件があり、関連も取り沙汰された▼後に、容疑者確保に成功した北海道警には首相官邸から金一封が贈られた。額は100万円で出どころは、いわゆる機密費だった▼機密費は国の事務を円滑に進めるための経費で、非公式な交渉に協力してもらった謝礼や情報提供の対価といった名目で支出する▼馳知事が東京五輪の招致活動で、機密費を使い国際オリンピック委員会(IOC)委員に贈り物をしたと述べたからだ。事実ならIOCの倫理規定に違反する可能性がある。
 (私は)問いたい。贈与は人と人とを結ぶ潤滑剤である。金額が大きいほどその効果は高まるのか。IOCの皆さんは贈り物をもらうのが当たり前なのか▼東京オリンピックとは、そういう心配りの招致運動で成立したのか。それに機密費が使われた。内閣官房はそれを良しとしたのか。それで良いのか?