呪いの言葉 231128

 何げない言葉に呪いがあると『明窓(231127山陰中央新報)』。『天空の城ラピュタ』、主人公たちが唱えると城が崩壊する呪文。言葉の力のすごみ、現実にも恐ろしい言葉は転がっている▼「(残業が)嫌ならやめれば」「(低賃金は)仕方がない。みんな我慢している」。「お母さんなんだからしっかり」。法政大の上西充子教授によると、これらは思考の枠組みを縛る「呪いの言葉」▼一見まともだが、都合良く黙らせる支配構造が潜在▼上西さんの講演を聴き自問自答。呪いの言葉をかけていたかも。いやかけられたこともあるか…。思い出せないことが呪縛の中にいた証拠。対極にあるのが相手の力を引き出す「灯火の言葉」。自然と口にするにはまず自分にかかっている呪いに気付かなければ。
 (私たちは)知らずと呪文を唱えているのか。他人を苦しめ、自分を縛っているのか。言葉は呪文か。言葉が人や社会を発展させ、また破壊するのか▼エロイムエッサイム。言葉は、私たち自分の中の悪魔を呼び出すのか。そんなことを思うと、語れなくなってしまう。呪いに恐れず、語るにはどうすればよいのか。