遠い他国から何ができるか 231021

 国際反戦デーに『国原譜(231021奈良新聞)』は思う。1966年に労働団体ベトナム戦争反対を呼びかけたのがきっかけ。「国際」と付いているが、わが国だけの記念日。石原慎太郎さんが政治の世界に飛び込んだのは、ベトナム戦争の取材からだった。1966年暮れから翌年1月にかけて20日ほど、米軍の最前線の基地にも入り、衝撃的な体験をする。私たちは、ロシアのウクライナ侵攻、アルメニアアゼルバイジャンナゴルノ・カラバフ紛争、イスラエルイスラム組織ハマスの大規模戦闘などを知る。石原さんはベトナム戦争について「他人の戦争を覗くという異常な体験」と言った。現在の私たちの多くはかつての石原さんほど戦争の近くに行けない(行かない)。それでも、遠い他国から何ができるか。
 (私たちは)他国の戦争に対して、如何にして平和を訴えられるのか。1960年代、あの当時は、いまよりも生活が豊かでなかったが、労働者や学生たちは他国の戦争に反対を呼びかけた。あの頃、日本は自国の平和と他国の戦争の中、廃墟から立ち上がってきた。平和であれば、何かができる。戦争を知らない子どもたちも、平和を願った。