10月1日の「日本酒の日」に『余録(230929)』は思う▲日本酒の輸出は13年連続で増加し、昨年は475億円に。日本酒に合う和食が広まり、香りの良い吟醸酒や純米酒が各国で歓迎されている▲「獺祭」の旭酒造は米ニューヨーク郊外に酒蔵をオープン。南部アーカンソー州では兵庫県原産の代表的な酒米である山田錦が栽培され、現地で日本酒生産も▲ペリー来航でウイスキーと遭遇してから170年。日本産ウイスキーは世界に冠たる存在となり、輸出額でも日本酒を上回る。そんな歴史を考えれば、いずれ高品質の「純米大吟醸」を逆輸入する時代が来ても不思議ではない▲「中秋の名月」を眺めて一献傾けるのは江戸の昔から続く酒好きの伝統である。
（私は）日本酒が・・である。何せうまい。何もいらない。この香り。澄んだ表面張力。これだけで良い。その酒に酔い、迷い、彷徨う。ほどよく飲もう▲まだ蒸し暑いが、それでも秋になった。ゆっくりと酒と夜を味わおう。ゆっくりと。
