『#強くて心優しいアトムのように』<2023年1月1日（日）>
60年前のきょう、「鉄腕アトム」の放送が始まったことに『南風録(230101南日本新聞)』は思う。画面を縦横無尽に動き回る姿に、子どもたちは胸を躍らせた。手塚治虫さんは原子力で動く少年ロボットに「科学と人間は共存できるのか」という問いを託したそうだ。前回の卯年、東日本大震災が発生、東京電力福島第1原発事故が起きた。12年たった今も身近な人を亡くした被災者の悲しみは消えない。助かった人の中にも、生まれ育った故郷で正月を過ごせない人たちがいる。アトムは、聴力を1000倍にでき、悪巧みを聞きつけたり、遠く離れた人を探し出したりする。そこまではかなわなくても一人一人が小さな声にも耳を澄まそう。強くて心優しいアトムのように。
（僕等は）アトムの子供。山下達郎の言葉を借りれば、いつまでも百万馬力を思い、意地悪な奴とも仲良くなり、力を合わせて、素敵な未来にしたい。皆がアトムの思いを引き継いで、各自の心が新アトムになろう。
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