『#立冬』

『#立冬』<2022年11月8日(火)>
 立冬に『正平調(221107神戸新聞)』は思う◆肌に心地よかった秋の風もこれからは次第に身を刺す冬の風に変わる。〈凩(こがらし)や海に夕日を吹き落す〉(夏目漱石)◆今ごろ、冬の訪れを告げるように吹き荒れる冷たい風を木枯らしと呼ぶ。「凩」は国字。四季折々、列島に吹く風の中でもとりわけ人々の感傷を誘う風だったのだろう◆骨身にしみそうだと感じる。値上げの嵐がいっこうにやまないで、家計にびゅうびゅう吹き付けている◆「神無月ではなくて金無月です」。10月に続いて、11月もあれやこれやと「値上げ」の字を新聞で見ない日はない◆岸田政権はお寒い支持率に活を入れるべく、どーんと派手な経済対策を打ち出した。懐具合はいっとき温まるかもしれないが、嵐の出口は見えず、バラマキの借金はいずれ国民に請求書が回される◆こんなことを書いていたら胸の中をまた木枯らしがびゅう。せめて気持ちだけは温かくまいりたい。
 (私は)昨日より軽いコートを羽織って出勤。例年より早い気がする◆野外寒し。木々は彩りが冴えてきた。紅葉を見に旅に出たいが、値上げ値上げで、懐に木枯らしが早々と吹いていようか。そして、冬の寒さはもっと身にこたえる。春は遠かろうか?
#秋の風,#木枯らし,#四季折々,#家計,#バラマキ