幸福、日本は158カ国のなかで46位と前回よりやや後退

幸福、日本は158カ国のなかで46位と前回よりやや後退
(日経「春秋」2015/4/26付) 凧(たこ)、風船、ブランコ、風車(かざぐるま)、シャボン玉――。春の季語。夏の季語にハンカチ、冬の季語にラグビーもある俳句の世界だが、凧や風船が「春」とは思い切った変化球というべきか。ゆく春の、晩春に近づく昨今はとりわけブランコやシャボン玉にふさわしいのかもしれない。平凡だけど幸せ、という心境にしてくれる季節ではある。国連が発表した2015年版「世界幸福度ランキング」では、日本は158カ国のなかで46位と前回よりやや後退した。トップはスイス、以下順にアイスランドデンマークノルウェー、カナダ、フィンランド、オランダで、欧州の中小国が目立つ。幸福度の要素である「人生の選択肢の多さ」などが効いているという。どこか不自由で横並びが気になる日本だが春日遅々、この穏やかな空気は国連にだってつかめないだろう。そういえばブランコは鞦韆(しゅうせん)ともいい、三橋鷹女の有名な句に「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」。のどかなブランコがにわかにときめき、これも幸福度がすこぶる高い。
(JN) 幸福は、人それぞれその基準が違うし、その一人一人も、その時期にによって変わってくる。それをランキング付けするのはどうなのであろう。他人を気にする者には、とても気になるものになるが、それよりも、今や過去の幸福より、これから何をしたいかを考えた方が面白そうである。そういう意味で、四季を感じることは、先への楽しみになる。幸い我が日本は、それぞれの地域で異なった四季を感じることができる。まずは今、外へ出て、春の風と光を身体で感じ、暖かな幸せを体感し、ハンカチで汗を拭う。もう直ぐ初夏だ。上着やネクタイから解放されるぞ。身体も心も開放し、幸福も開放し、揺れに揺れてみよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO86160320W5A420C1MM8000/