『世の中に想像を超えた蛮行をためらわない人間がいるという事実』

『世の中に想像を超えた蛮行をためらわない人間が、やはりいるという事実が今は重い』<2019年7月22日(月)>
 京都アニメーションの放火事件に『筆洗』(190719)は思う。「人間のものと思えない悲惨な事件はどうしてなくならないのか。ギリシャの神話は、獣をつくりすぎた神が一部を人間につくりかえたため、獣の心を持つ人が存在するようになったのだと説明する。しかし、獣も同じ種の命をこれほど大量に奪おうとはしないだろう。・・・平面の世界に生命を吹き込み、物語を通じて人の心に活力を届けるのが、アニメ制作であろうか。昨日も作品に新たな命を吹き込む仕事があの建物の中で行われていたはずだと思う・・・世の中に想像を超えた蛮行をためらわない人間が、やはりいるという事実が今は重い」。
 (JN) どれだけの条件が揃うとこんな悲劇が生まれるのであろうか。実行犯はなぜにこのような蛮行を行ったのか。彼はこの現実を想像できたろうか。私たちの行動の一つひとつが様々な現象を生む。ニュースを見ていると、京都アニメーションの作り出した世界が、希望を与えたし、個人個人の現場の人たちがまた様々な影響を与え合っていたという。人の命の尊さをも、彼らの作品は語ってきたろう。でも、残念ながら、放火犯には通じなかったのか。私たちの心にはそれぞれが獣の心、否、蛮行の心を持っているのであろうか。魔女が声をかけたのか。何が赦せなかったのか。何が我慢できなかったのか。心の中のそのことに、この方法を選んだのはなぜなのか。

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