『街で育った店と客との幸福な関係が、また1つ消えた』

『街で育った店と客との幸福な関係が、また1つ消えた』<2018年2月23日(金)>
 「今週の火曜日、都内で1軒の本屋が歴史を閉じた」と、『春秋』(180223)は代々木上原駅前の「幸福書房」の閉店を惜しむ。「卸会社が選ぶ定番の配本に頼らず、客の顔を思い浮かべながら独自に本を仕入れる。『自由に気持ちを広げられるのが本屋という場所』だと信じ・・・書棚で客と会話をするつもりで経営してきたという。そうした工夫と努力を重ねた書店ですら、活字離れという向かい風には勝てず、閉店を決めた」と店長の岩楯幸雄さん。「店に並べた本には、こんな挨拶を載せたしおりをはさんだ。『素晴らしいご縁に、心から感謝をしております。長年のご愛顧、本当にありがとうございました。幸福書房 一同』。街で育った店と客との幸福な関係が、また1つ消えた」。
 (JN) 流通の発展は消費者に便利であるが、消費者はどんどん商品流通の流れに乗せられてしまい、自分の欲望もそれに流されてしまったいないか。育った地域の本屋さんはどんどん無くなっている。本の売上が落ちている上に、インターネットでの購入が便利であるため、本当に町の本屋さんでの購入がなくなった。行っても立ち読みで、買うのはネットになっている。ネットは親切にもこんなのは如何とお知らせもしてくれる。「幸福書房」に行ったことがないのでどんな本屋さんであったか分からぬが、惜しまれて続々とこのような本屋さんが店を閉じていくのであろうか。最後の夜にお店に詰めかけた方々、自分たちがこの店を閉店に追い込んだと思い、また悲しかろう。こんな状況でも、本屋さんは努力している。でも、流通は今後AIの発展とともに、次々と小さな町の幸福を飲み込んでいくであろうか。