『科学の成果で、より多くの人を幸せにし、不幸な人を減らす・・・』

<2016年12月2日(金)>
『科学の成果で、より多くの人を幸せにし、不幸な人を減らすことだろう』
 「理化学研究所のチームがみつけた113番元素の名前が、正式にニホニウムに決まった」。「春秋」(161202)は、「日本人として誇らしく感じる。とはいえ、大切なのは名前ではない」。このことからポロニウムを思い出す。それは、ロシアの諜報機関元職員のアレクサンドル・リトビネンコ氏が、亡命先の英国でロシア当局によって暗殺されたこと言われている事件である。ポロニウムはキュリー夫妻の発見であり、夫人の祖国が帝政ロシア支配下ポーランドであったため、国名からポロニウムとなった。これが「巡り巡ってロシア当局の暗殺の道具になったとすれば、皮肉というほかない。科学の成果で、より多くの人を幸せにし、不幸な人を減らすことだろう。」
 あり得ないことだが、私が新しい元素を発見したら、ナトリウム、これはだめだ。では、ジュンリュウムか。それはいったいどんな元素で、人類に何をもたらすのか。年を取って来ると、そんな夢も見なくなる。そんな凡庸な者のことは別として、日々、科学者たちは新たな発見に我を忘れ、思わぬものを見つけ出す。それが、世間に認められ、活用されることもあれば、直ぐには活用されないこともある。また、発見者たちの思いもよらない活用がなされることがある。何れにしても、その活用が悪をもたらしてはならない。でも、その悪が人類を滅亡へと導く元素であっても、この世から抹消することはできない。活用者たちの能力が大事である。(JN)