『世界の食糧危機を救うのは』

<2016年11月28日(月)>
『世界の食糧危機を救うのは』
 「国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)が正式に発足してから、ことしで半世紀になる」。「春秋」(161128)は、「緑の革命」等の世界食糧危機への日本の貢献を思う。「緑の革命の原動力の一つが日本で生みだされた小麦の新品種だった。『小麦農林10号』。背がひくく頑丈なので、たくさん穂をつけても倒れにくいという特長があった。終戦後、進駐軍の一員として来日した米国の農学者がこの品種を本国に持ち帰った。それをもとにCIMMYTのノーマン・ボーローグ博士らが生み出した新品種が『緑の革命』の柱となった。」
 世界的食糧危機問題は遥か昔、マルサスの『人口論』より、叫ばれている。しかし、食糧の世界生産量からすると、まだ世界の人口を維持できるはずであるが、世界中で飢餓が起こっている。それは、現在の資本主義制度の為せるところである。しかし、子供たちを始め、飢餓を起こしてはならぬと、それぞれの地域の食糧生産の向上に努力している。でも、「緑の革命」はそれを改善することができたであろうか。また、日本は食糧となる植物の品種改良に努力したが、食糧輸入国であり、肉食のための植物消費が高くなっている。世界の食糧危機は、救われていないのである。食糧の生産面だけでなく、流通と分配をどうするか、その革命が必要である。(JN)