『惨事を遠ざけるのもやはり、人の知恵である』

<2016年9月3日(土)>
『惨事を遠ざけるのもやはり、人の知恵である』

 生産者や流通業者は、できるだけ良いものを消費者に渡したいはずだが、なぜに事故は起きるのか。「春秋」(190903)はイタリアの避暑地アマトリーチェの大地震の際の被害をみて「悲劇を招くのは人のしわざかもしれない。今回の被害の背景に手抜き工事や耐震偽装も疑われている。早くから耐震化を進めた近隣の町は無事だった。惨事を遠ざけるのもやはり、人の知恵である」と述べている。「天声人語」(190903)は、雑誌「暮しの手帖」が1954年から始めた「商品テスト」の開始から60年以上過ぎてもまだ「商品テスト」が必要であるような三菱自動車の燃費不正問題、「テストがいらなくなる日は、まだまだ来ないようだ」と嘆く。

 今週は、アイロンの「商品テスト」がなされ、問題点を突かれた業者が嫌がらせを「とと姉ちゃん」たちに行われ、怒りを持っている私。この私は消費者である。私たち消費者は知恵を使っているのであろうか。安易にものを買いすぎやしないか。大量消費社会の時代は終わり、日本はさらなる質が問われるようになり、生産者であるとともに消費者である私たちは個々に知恵を持ち、自分たちは人として、国民として、組織の者として、個々人としての力をつけていかねばならない。地震や大雨など自然災害から人的事故まで、自分たちの知恵を絞り、お互い信頼し合い助け合い、歴史に悲惨な記録を作らないようにすべきである。(JN)