『手ぶりで愛嬌(あいきょう)を振りまく。武士出身の・・・』

<2016年8月23日(火)>
『手ぶりで愛嬌(あいきょう)を振りまく。武士出身の店員よりよほど商人らしい』

 人間型ロボットの愛嬌振りに、「春秋」(日経/16/8/23)は岩崎弥太郎の店員への教育を想う。その「アイデアがおかめの面というわけだ。店を訪れた福沢諭吉が、『岩崎氏は商売がわかっている』と感心したという。いま岩崎が日本の接客風景を目にするなら、驚くかもしれない。気がかりなのは人間が機械に取って代わられ始めたことだ。となると人は、「おもてなし」の技をもっと磨かねばなるまい。おかめの面は角度により飾り気のない笑顔にも見えれば、どこか表情が硬かったり寂しげだったりもする。どうすれば客の心に届く笑顔になるか。店員に考えさせていたなら、なかなかの仕掛けだ。」

 最近はペッパー君を店頭で見るようになってきた。半世紀以上前に生まれた者には、これはアトムの世界である。まぁ、とにかく、素晴らしい。無愛想で無教養のお嬢さんのお相手よりも楽しい。こうなると春秋が指摘しているように、人間様は実力をつけないと、働く場が限られてしまう。医療の世界でも、総合的判断力はコンピュータの方が力が上だとも聞く。人は労働力の価値を上げるためにこれから何ができようか。まさかおかめ面してコンピュータの僕に成り下がるのか。主体的活動として生き延びることを考えて、コンピュータとつきあって行かねばならない。(JN)