『人類の遺産である城の修復プロセスを公開し観光資源に』

『人類の遺産である城の修復プロセスを公開し観光資源に』

 「春秋」(日経/16/7/3)の執筆者は熊本を歩き思う。「城の現状や復旧の過程こそ、多くの人々に見てもらう価値があるのでは。社会と災害、文化財の管理とその財源、歴史的シンボルの役割など、多様な論点を探るヒントを与えてくれるはずだ」と。そして熊本市の評論家の渡辺京二さんの言葉を紹介する。「地殻が常に動く惑星で、自然による破壊に周期的に脅かされるのは宿命。人はそこに虚無や恐怖、畏敬を覚えてきたが、降参はしなかった」。そして執筆者は、「文明の歯車は回し続けねばならない。これからも。新たな城郭が空に映える姿を必ずや私たちは見るだろう」と。

 地球は生き物のように地殻を常に動かしている。特に、日本列島はその影響を大きく受ける。それがわかっている以上、その上で生活をしていく以上、大きな地震が起きないことを願うが、とにかく、そのことに対しての即時対応から、復興までのプロセスを考えておかねばならない。不幸を待っているようなものだが、それを我々の生成・発展に合わせて準備していかねばならない。さて、今起きている熊本での現実、まだ揺れが続いているが、その揺れに我々は心で負けることのないように、日本中の力を合わせて、自然の力と我々の力を歴史に残していきたい。それは、まだ続く東日本の被災地の復興も同様である。(JN)