『ピカにやられ、口惜しうて、わしの仇をとってくれんか』

『ピカにやられ、口惜しうて、わしの仇をとってくれんか』
 報道写真家・福島菊次郎さんが二十四日の夜、九十四歳で逝った。東京新聞「筆洗」(2015年9月27日)は、「死んでも死にきれぬ思いを抱えつつ逝った人たちの声を、百年先にも伝えるために」、「『死なない写真』を撮らなければならないと書いた」と伝えている。
 写真は、生き続ける。しかし、永遠ではないかもしれない。それぞれの時代がその写真を理解できなければ、その写真は世に現れず死んでいくのであろう。写真家は、その時代を生々しく撮り、空間や時間を超えて、人々に喜びや苦しみを伝えてくれる。福島菊次郎さんは写真というものを使って、未来に生々しさを伝えていく。そして、私たちも次の時代の者へ何かを渡せねばならない。多くの仲間と影響し合いながら、次の者へそれぞれの任務を身に着けて行く。さて自分は何を担っているのであろうか、と考え手が止まった。・・・・・福島菊次郎さんのご冥福を祈ります。(JN)