『御堂筋、ブランド力を高めて世界に知られる通りに育てよ』

『御堂筋、ブランド力を高めて世界に知られる通りに育てよ』
 「東京への一極集中で大阪経済が沈滞し、御堂筋の車両交通量はこの40年で4割減った。一方、自転車の交通量は7〜8倍に増え、最近は外国人観光客も急増している。この機に活性化を図り、大阪の再生にもつなげようという機運が高まった。」このことに、毎日新聞「余録」(2015年09月26日)は、「商人たちが近代化を担った歴史を持つ都市だけに、政争は脇にやって、『民の力』に再生の期待を託したい」と言う。
 若いころ地方出張に行くと、その出張先の街中を良く歩いた。「ブラタモリ」ではないが、そこの地域の歴史・文化や地理を楽しんだ。まずは、宮本常一宜しく、高い所に行き、その地域を眺め道、目的地を定める。或いは、地図を眺める。それから街中を歩きまわる。大阪はどうであったろうか。街が大きいので、歩いている場所は限られている。御堂筋は、本町から淀屋橋まで歩いてみたことがある。想えば、広いまっすぐな道を下ったような記憶しかない。一歩細い通りに入れば、そこには大阪があるのであろうが、大通りは東京を歩いているのと変わりなく、そこには思い出がないのであろうか。出張先での記憶は、その地域の独特の空間である。東京からの勝手な希望だが、東京化するのではなく、その地域の歴史を大事にしてほしい。大阪には長い歴史とその遺産がある。それぞれの地域は、東京を中心とした行政の中央集権と闘いながら、「民の力」が活かされることを信じる。(JN)