『巡査部長が逮捕されたのは、関東・東北での豪雨災害のさなか』

『巡査部長が逮捕されたのは、関東・東北での豪雨災害のさなか』
 「警察官に『人を殺してはいけない』との教育が必要なようでは世も末だ」と、日経「春秋」(2015/9/15付)は失望する。
 「DNA型鑑定の世界で『汚染』といえば、検体に第三者のDNAが紛れ込んでしまうことを指す。典型的な例として、遺体を調べる際に捜査員の唾や汗、髪の毛などが混入するケースがある。『犯人は警察官』、普通はそんなことはありえないから、汚染に気が付く。だが埼玉県朝霞市の事件では、汚染されていないはずの遺留物のDNAが、犯人が警察官であることを明らかにしたようだ。事件の犯人が捕まらずに不安を募らせていた周辺の住民は、容疑者の逮捕で逆に不安が高まったのではないだろうか。巡査部長が逮捕されたのは、関東・東北での豪雨災害のさなかだった。災害現場では連日、自衛隊、消防とともに、多くの警察官が救助の活動にあたっていた。事件がもたらした失望は大きく、やり切れない。」
 警察官の不祥事がなぜ起きるのか。警察官も人ではあるが、その一般の人でさえ殺人は以ての外である。それを取り締まる者が、その仕事の情報を以て盗みと殺人とは何とも言葉が出ない。ほんの一部の者でも、警察官のイメージは悪くなり、世間の治安にも影響があろう。警察官も人である以上、その職に就いてからの環境で変化が起きる。その変化がその人をどうさせていくのか、そこをこの仕事の継続において問題あるものを更生させていく必要がある。これは他の職でもあろう。周りの者がお互いを監視するのではなく、お互いを気遣い改善をして行く構造が必要である。9月1日の日経「大機小機」に「日本人は順法意識よりも社会批判を重んじる」、「お天道様が見ている」などと書かれてあったように、沈静化より原因究明と対策を重視せねばならない。(JN)