『いつもの飲み屋でサンマ塩焼き、850円取られた』

『いつもの飲み屋でサンマ塩焼き、850円取られた』
 台湾に先どりされるサンマ、日経「春秋」(2015/9/13付)は危機感を煽る。
 「台湾で手軽に一杯やれる店といえば「熱炒」。ある店のメニューのなかで秋刀魚の3文字が目を引いた。この南の島でも昔からなじみは深いらしい。そして、台湾のサンマ漁獲量は昨今ますます増えて昨年は日本を追い抜いている。料理して食べるのは一部で、大半は加工して中国に輸出しているという。その中国の船も大挙してサンマ漁に向かいはじめたと聞くから、日本が頃合いの獲物を手に入れる前に公海上でうんと先取りされることになる。そうしたなかで先日、ようやく各国が規制を話し合う北太平洋漁業委員会の初会合が開かれたが、手をこまぬいていると日本の食卓からサンマがどんどん遠ざかるに違いない。いつもの飲み屋で、塩焼きにしてもらったら850円取られた。かの熱炒の2倍である。わたのせいだけでなく苦い味がする。」
 「サンマ、『庶民の魚』卒業か」、日経の本年5月12日の記事である。資源保護へ漁獲枠削減により、私たちの手の届きにくいところへ行ってしまうのか。産業と言うものは、いつまでの同じところが占有できない。商品経済は、消費者を優先せず、利益を優先するから、人件費その他経費の掛かる日本から、漁業も他国に取られて行ってしまう。政治的な対策を行っても、サンマは遠くへ行ってしまう。従って、庶民は手軽に食べられるものを新たに求めて行くのである。各種産業もそのように変化をして行く。サンマを食べられなくなって行くのは残念だが、また新たな安くておいしいものの機会を期待しよう。(JN)