権利の上に眠るものは、保護に値せず

(日経「春秋」2014/12/14付) 「消費税は所得が多い人にも少ない人にも等しくかかるからね」「でも、国の借金を放っておいちゃいけないじゃない」。地下鉄に乗っていたら、こんな会話が聞こえてきたので驚いた。どう見ても小学校の5、6年生といったところだ。国の財政のあり方を真面目に話す2人を見ていて、なんだか申し訳ないような気持ちになった。法律の世界に「権利の上に眠るものは、保護に値せず」という格言がある。衆院選投票率が戦後最低に落ち込むとの懸念を聞けば、この格言が胸に迫ってくるようだ。無風だろうが、大義がなかろうが、投票しなければなにも始まらない。有権者の半数ほどしか参加しない選挙であるなら、「政治に関心がないので、適当にお願いします」が第1党ということになってしまう。投票権があるのに眠り続ける人たちは、政治の側からはすでに「保護に値しない」と思われているかもしれない。
(JN) 「投票しない者は、保護に値しない」と、お話はわかるがちょっと変えていただきた。投票に行きたくても行けない者もあるであろうから、「投票を放棄する者は、保護に値しない」と。本日の20時過ぎに、今後の政党勢力がわかってくる。私たちが考えねばならないのは、圧倒的多数で物事が簡単に決まってはならないということである。時間がかかっても、大事なことは話し合い、問題を解消して行かねばならないのである。確かに、直ぐに決定せねば国家の存続にかかわることもあろう、それは、特別なことである。独占禁止法ではないが、政党についても、国会所属議員政党独占禁止法があっても良いのではないかと、この日本には思う。大政翼賛会などあってはならない。こんなことは、法で決めることではなく、国民一人一人の意識の成長が必要なのである。日本人は、大勢に流される情けないものたちが多いのであろうか。勝利政党に投票しても、自分たちは保護されない。況してや投票を放棄する者は、保護に値しない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80895770U4A211C1MM8000/