衆院選は冬を追い払い、春を招くだろうか

(日経「春秋」2014/12/13付) アンデルセンの「即興詩人」、主人公アントニオの舟が突然、竜巻に遭う。混乱した船頭は「尊きルチア、助け給へ」と叫ぶ。気づくとカプリ島の青の洞窟に漂着していた。金銀財宝の入った壺(つぼ)を見つけ、盲目の少女ララに救われる。祈ったのはナポリ民謡に歌われた聖ルチア。北欧諸国などでは、今日がその祝日だ。冬至のころ、厳しい冬を追い出し、春を呼ぶ儀式らしい。明日は赤穂浪士討ち入りの日である。劇的事件には冬の王を倒し春を招く太古からの祭祀(さいし)が隠れているとの指摘がある(丸谷才一忠臣蔵とは何か」)。権勢を誇った冬も滅び、やがて春が訪れる。いま起きていることにも、そんな祭儀がひそむと想像してみる。明日の衆院選は冬を追い払い、春を招くだろうか。円安や景気悪化で、くたびれてきたアベノミクス。国民の審判を受けて再び生命力を取り戻せるのか。なにしろ、日本再生がかかっている。
(JN) 師走、あっという間に半ばになってしまうが、寒い冬はまだこれから、春は遠い。くらい寒い冬を神頼みで、毎年越して行く。今のところ、自然の春は、月日とともにやってきそうだが、社会の春はやって来るのであろうか。そのためには、神頼みではなく、社会の構成員がしっかりとやることをしなければならない。まずは各々方、投票日でござる。残るは今日と明日、充分に考えて、さっさと投票をしましょう。私は今日、期日前投票を行い、明日は、老いた父母の投票の手伝いに行きます。日曜日、黒田官兵衛の最終回を観たかったが、これは先送りである。選挙速報は、慶長五年のような場面になるのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80875030T11C14A2MM8000/