あれもサシミにして食べるのか

(日経「春秋」2014/9/7付) 日本がバブル景気に沸いていたころに、オーストラリアでタクシーに乗ると、こちらが日本人だと気づいたドライバーが「近ごろ日本人がコアラを次々と持ち帰っているようだが、あれもサシミにして食べるのか」。意地の悪いコアラジョークの裏には、日本の捕鯨に対する反感があるようだった。いまあのドライバーに再び会えば、心配の種はさらに増えているかもしれない。太平洋クロマグロの問題である。幼魚の乱獲によって、成魚の資源量が過去最低の水準に近づいているという。そこで資源を管理する国際機関が、幼魚の漁獲枠をこれまでの半分に減らすことを決めた。この程度では手ぬるいとの指摘もある。とはいえ半減策は日本が提案し、議論をまとめ上げたものだ。国際交渉では自らの考えを説明しきれずに、不利な立場に追い込まれてしまうことが少なくない。マグロの乱獲規制で日本は奮闘したといえるのではないか。結果的に「悪役」となった、捕鯨の二の舞いは演じたくない。
(JN) 自然との和をもって、私たち日本人はこの日本列島での生活を成していたのが、その自然の許す範囲を超えての振る舞い、そして列島の範囲を超えたため、自然の怒りを受け、諸外国の怒りも受けている。これは、直接的行動だけでなく、資本を通しての行動も同様だ。これは、捕鯨問題どころではなく、火力を伴なわない経済侵略である。このままでは、私たちは自然からも世界からも見放される。孤立する前に、和を見直そう。積極的に自ら和を持って前へ進んで行こう。ただし、これまでの日本の和は、世界には理解されない。理にかなった説明が必要だ。これは、マグロだけの問題では無い。
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