教育の多様性広げる学制改革を進めよ

(日経「社説」2014/7/5付) 6・3・3・4制の見直しによる「平成の学制大改革」を――。安倍晋三首相が昨年の施政方針演説でこう意気込んだわりには、政府の教育再生実行会議がまとめた第5次提言は控えめで、現実的な内容となった。しかし自治体の判断で「小中一貫教育学校」を設置できる制度づくりを求めるなど、いまの硬直的な仕組みに風穴を開けようとしているのは評価したい。文部科学省は提言を生かし、教育の多様性と選択肢を広げる改革につなげるべきだ。今回の改革案の柱である小中一貫校は、子どもの心身の発達状況が必ずしも6.3の区切りとは合わなくなっているという声を踏まえ、9年間の義務教育を同じ学校で展開できるようにする制度だ。これにより地域や学校ごとに「4・3・2」「5.4」などの設定が可能になる。
(JN) 制度をどういじろうと、教育が何の目的のためなのかを私たちは考えなければならない。ただ学校へ行ったではなく、学校が多様な子供たちにあつぃて、その多様性に応じて、最低限の知識を理解させ、それを基に生活を営み、また自分の不自由な状況について意見申し上げる力をつけさせることが必要だ。ところてん式の教育の制度を変えても、子供たちの個々の能力を活かすことにはならない。洋服に体を合わせるような教育から、個々の子供たちの成長に合わせて進む教育とすべきである。これは、私たち自身の教育に対する認識を変革するとともに、教員の教育力を向上させることである。私たちが当たり前に思っている、一斉に入学し、一方通行の一斉授業で、一斉に同じ授業で、理解度は一斉でなくとも一斉に卒業する一斉社会を、変えなければならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO73819090V00C14A7EA1000/