スーパーグローバルハイスクール

(日経「春秋」2014/4/4付) 「超」だの「めちゃ」だのというと薄っぺらに聞こえるが、英語で「スーパー」と言い換えればもっともらしいお役所言葉になるものだ。文部科学省が全国の高校56校を「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に選んだというニュースには、そんな感想である。世界を舞台に活躍できる人物を育てようという高校を文科省が応援するのだという。申請は246校からあったというから、高校にとっても「国際人育成」の宣伝文句は魅力があるのだろう。大学や企業、国際機関の力も借りて「深い教養や国際的素養を身につける」という高邁(こうまい)な目的だが、それを安直に目的に掲げる薄っぺらさの方が、むしろ心配になる。物理学者のアインシュタインは常識が大嫌いで、「18歳までに身につけた偏見の寄せ集め」とこき下ろしたそうだ。せっかくスーパーと銘打ったのだ。若者に小賢(こざか)しい常識の衣を着せないこと。それも超国際人を育てるすべであろう。
(JN) アインシュタインは学校教育の常識、「18歳までに身につけた偏見の寄せ集め」と申されたようだが、アインシュタインは普通の人ではなかったようだ。このたびのSGHは、普通の優秀な高校生が対象であろう。勿論、とんでもない普通でない高校生もいるかもしれないが、「18歳までに身につけた偏見の寄せ集め」とわかるためには、その偏見を学ばなければならないだろう。とにかく、教えられたことを優秀に理解し、そこから何ができるかなのであろう。SGHから単に国内の有名大学へ生徒を送り込むようなことではなく、国際基準を乗り越えられる「超」はみ出た「めちゃ」普通でない高校生を輩出してほしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69366690U4A400C1MM8000/