係争が起きて良かったことがある

  • (日経/春秋 2012/8/27付) 北極海の近くにハンス島という小さな島(面積は1.3平方キロメートル、竹島よりは少し大きい島)がある。東にはデンマーク領のグリーンランド、西にはカナダの領土、2つの国は島の領有権を主張して係争中だが、どこかほのぼのした雰囲気が漂う。一方の外交官が「係争が起きて良かったことがある」と?入れ替わりで駐留する舞台が、それぞれの国産ビールを「置き土産」として島に残していく習わしが、受け継がれているそうだ。上陸したらまず相手国のビールで乾杯というわけだ。係争は1970年代から続いている。領有権の交渉は終わりが見えない。それでも両国に焦る様子はみえない。互いに「見解の不一致」を認めた上で、歴史の検証や共同開発の検討が淡々と進められている。カナダ軍が置いた酒の箱に「カナダにようこそ」と書いてあったそうだ。デンマーク兵はニヤリと笑って飲んだに違いない。
  • (JN)デンマークとカナダとの関係はいかなるものか知らぬが、日韓のような歴史的関係とは異なるであろう。ここ100年の歴史の関係もあり、簡単ではないのであろうが、あのヨーロッパがEUを創設しているのは国民や政治力の差であろうか。しかし、このように島を相互に管理して「置き土産」を行うことができるようにゆとりができないであろうか。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45420950X20C12A8MM8000/