- （日経/春秋 2012/6/19付）再選挙で財政再建派が勝って単一通貨ユーロからの離脱の危機がまずは去ったギリシャが、「ユーロ」と呼ばれるサッカー欧州選手権で善戦している。ポルトガル人の監督は試合後に、勝つためにはまず規律を守る必要があった、と語ったそうだ。ギリシャ・サッカーの特徴は、自分たちの持ち味を出すのではなく相手の持ち味を消すところにあるという。そのスタイルをかつてこの国に植え付けたのがドイツ人監督と聞くと、むべなるかな、である。政策も、欧州連合（ＥＵ）チームの一員として自分たちの持ち味より規律を重んじる方向へぐいとかじを切るのか。まだ先は見えないが、投票前夜のサッカーの勝利が選挙の結果に何がしかの影響を与えたような気はする。いまＥＵを率いる監督格はドイツのメルケル首相だろう。ドイツはユーロの優勝候補で、最大のライバルがユーロ危機の飛び火がささやかれるスペイン。メルケルさんにはその行方が二つながら気になって仕方ないに違いないのである。
＝＞（ＪＮ）ユーロ、統一通貨にしたが、それは資本主義の価値形態にはそぐわない。民族それぞれが持ち味のあるヨーロッパにおいて、ルールを守らせるとしたら圧倒的な力が必要ではないか。ドイツには力はあるが圧倒的ではない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO42760630Z10C12A6MM8000/
