すずかけの並木、君と幸福になると信じてた

  • (日経/春秋/2012/5/17付)都市の街路樹で、世界で最も多いのがプラタナスだそうだ。どちらかといえば無個性な木なのに、小説や歌に登場することが多い。和名はスズカケノキ。「涙とめどなくあふれくる、ひとりすずかけの並木道。君と幸福になると信じてた」(サザンオールスターズ)。「沢山(たくさん)の豆電燈がついて、ほんとうにそこらは人魚の都のように見えるのでした」(宮沢賢治)。「すずかけ協定」が、米国のウォール街で結ばれたのは、1792年の5月17日である。大きな街路樹の下に24人の仲買人が集まり、株を売り買いする手数料について取り決めを交わした。きょうは、それからちょうど220年。ギリシャの政治が荒れ、未来への不安が世界中に広がった。「君と幸福になると信じてた」。欧州の人々は、単一通貨ユーロにそう言いたい気分かもしれない。半世紀かけて育てた経済統合の大樹が、ここで枯れてしまうとは思いたくない。

=>(JN)散々戦争を繰り返してきたこの世界で、資本主義の価値法則の下、全員が幸せになるのであろうか。枯れる前に伐採されるのではなかろうか。
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E7E3E0EBE2E2E3E5E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D