男女賃金格差 231109

 ノーベル経済学賞のクラウディア・ゴールディンさんのデータ分析に『天風録(231109中國新聞)』は思う▲シャーロック・ホームズのせりふ「数多くの事実の中からどれが重大かを見分ける能力です」と▲そんな探偵の仕事に憧れたハーバード大教授ゴールディンさんは男女の賃金格差の要因を解明、名探偵も脱帽▲家庭で女性は育児の責任を負わされがち。長時間労働や急な業務に対応できる男性が雇用で優遇された―▲フリーマーケットアプリ大手のメルカリが正社員の賃金を調べると、職務や等級が同じでも男性が女性より7%高かった▲ゴールディンさんは「単純な解決策も、万能の施策もない。しかし、問題を知ることで正しい方向に進むことができる」と近著に記す。こちらも心に響く名ぜりふである。
 (世の中は)低賃労働者を求めている。弱者はその対象となる。その対象は女性でもあった。米国の200年は、家庭かキャリアか、仕事のあとに家庭、家庭のあとの仕事、キャリアのあとの家庭、キャリも家庭も、と女性の生きかたは変化していった。さて、日本の問題は米国と同様か。どうなのか。