まことに万博こそは現代の縮図である 240414

 あと1年となった大阪万博に『春秋(240414)』は思う▼1970年の大阪万博に作家の佐藤愛子さんは「万博嫌い」を公言していたがテレビ局からの依頼を断れずリポート。そのルポルタージュは、相当に辛辣▼開幕直前なのに工事で混乱する会場に辟易。テレビ局の段取りに立腹。会期中はパビリオン前の行列に戦時中の光景を重ね、展示も気に入らず「なにが進歩と調和だよぅ!」▼昨日、あと1年の記念の催しがあった。しかし、膨張する費用と建築の遅れ。前売り券販売の低調▼佐藤さんの憤怒の矛先は日本社会の無責任体質に向けられていた。すべてがヒトゴト。自分のことのように走りまわっているが、失敗してもだれも責任を取らない。「まことに万博こそは現代の縮図である」。
 (私は)1970年の春、万博会場にいた記憶はあるが、何を見ただろうか。この太陽の塔は見えた。沢山の人がいた。長蛇の列に戦き、月の石を見ることはできなかった。なんのために行ったのであろうか。箱モノづくりでの景気政策の一環であったろうか。今回もそのつもりだろうか。ドカンとイベント、パンとサーカスか。