世紀の「公共事業」を見詰め直す 240404

 大阪・関西万博に『あぶくま抄(240404福島民報)』は思う▼道路整備や災害対策といった公共事業、大切な役割を担っていると教えたのは経済学者ケインズ▼第1次世界大戦の戦後処理、敗戦国ドイツに対する巨額の賠償金請求に異を唱える。無理強いすれば地域全体の没落を招くと。過度な負担にあえいだゲルマンの大国は社会不安にさいなまれ、ナチスが台頭▼1年後に迫った大阪・関西万博。目玉の木造大屋根にも巨費が投じられるが、設計者には思いがある。原発事故の影響を受けた県産材を使う。「林業が低迷しているので、お手伝いできれば」▼予算という単眼を広角レンズに切り替え、世紀の「公共事業」を見詰め直す。育てたい木の芽が必ずある。
 (私が)ケインズの経済を習ったのは1970年代。マクロ経済学と日本経済は花盛りであった。それからこの半世紀、まだこの理論に従って、箱を作り壊し作り壊しと、未来への借金を作り、経済格差を作って行くべきなのか。どうなのであろうか。公共事業の在り方は変わることはできないのか。被災地の復興への影響はどうなのか。広角レンズが必要だ。