ロシアはファシズムの国になりつつある 240220

 ナワリヌイ氏が獄中死に『余録(240220)』は思う▼「ロシアはファシズムの国になりつつある」。「プーチン大統領は同胞たちによそ者を憎むようにプログラムした」「彼はウクライナを放っておかないだろう」。ロシアの行く末を危ぶんだのは野党指導者、ネムツォフ元副首相だ▲2015年2月末の米ニューズウィーク誌とのインタビュー。モスクワ中心部で銃撃を受け暗殺されたのは会見の数時間後だった▲メディア統制や政治弾圧で表面上は圧倒的支持を得る最高指導者も古希を過ぎた。心の奥底には恐れがあるのかもしれない▲「政権が敵対者を排除するのは弱く、公正な競争ができないためだ」。ネムツォフ氏を記念する財団がナワリヌイ氏への追悼声明で指摘したプーチン氏の「実像」である。
 (私は)ロシアを他人ごととして片付けてはならないと思う。個人や組織に、長期にわたって権力を集中させてはならない。いま日本で起きている問題も然り。「原ファシズムは、いまでもわたしたちのまわりに、時にはなにげない装いでいるのです」(ウンベルト・エーコ