検察への不信 240115

 安倍晋三元首相がもし健在だったら、「(東京地検特捜部は)まず手を出せなかった」という観測記事はおもしろかったと『大観小観(240115伊勢新聞)』▼かたっぱしから実力者らを事情聴取し、要職辞任に追い込んだが、客観的な証拠が乏しいとか、派閥の会計責任者との共謀を問うのは難しいなど、いまさらの理由で矛を納める気らしい。竜頭蛇尾自民党・政府の激震に腰が引けたか。ここは一番、恩を売っておくのが上策と判断したか▼リクルート事件、障害者郵便制度悪用事件、小沢一郎氏の陸山会事件等々▼大川原化工機事件は起訴してから取り消した。その控訴審への対応が裏金問題から撤退させたと言われても仕方ないほど、検察への不信は強まる。
 (日本の)権力構造は一極集中にならないように戦後改革されたが、長期政権というものは権力とカネを集中させ強くなる。安倍政権はそのように力を持って、表からそして裏から行政を支配していたか▼特捜は、今後の特捜の未来を考え、いかなるストーリーを描いて問題を解決していくのか。できればそれを、今後の日本の未来を考えてのストーリーとはならないか。