東芝考 231030

 東芝のいまを『雷鳴抄(231030下野新聞)』は思う▼からくり仕掛けで動く人形や時計を作り、天才技術者と呼ばれた田中久重が1875年、東京・銀座に電信機の工場を建てた。これが東芝の発祥とされる▼1959年、東芝東京証券取引所に上場。事業領域は家電から半導体原発へ広がり長く日本を代表する企業だった▼その東芝が12月20日上場廃止となる。2015年の不正会計問題、16年に米原発子会社巨額損失が発覚▼「物言う株主」の経営への介入を許し混乱▼事態打開に向け上場廃止▼社会インフラや量子暗号など有望な事業がまだ残る。これらの事業を強化して経営を再建し、将来再上場を果たしてほしい。そうでなければ、同社を名門企業に育てた泉下の先人たちが泣く。
 (私は)思う。なぜ、東芝がここまで。いや、東芝だけではない。日本は沈んで行く。欧米の繁栄に追いつけと、戦後、日本は働き続けたが、心臓の衰えか、足がいうことをきかないか。頭の先から老朽化し、コントロールがままならない状態だ。このからくりは空回りしているか。