貴重な資料を後世に 231018

 大英博物館の保管品2千点が不明であったことに『天風録(230930中國新聞)』は思う▼長野・善光寺のご本尊である阿弥陀如来は絶対秘仏として知られる。住職でさえ存在を確認することはかなわない▲既に失われていて、厨子内は空っぽと指摘する人もいる▲こちらは本当に消えうせていた。大英博物館。古代から19世紀までの金や宝石の装飾品など2千点が不明に▲収蔵品は800万点、数が多過ぎて、公開されたのは、ここ数年間で1%ほど。正確な保管記録はなく、ずさんな管理も目立つそうだ。館長が辞任を表明した▲植物学者の牧野富太郎が残した40万点もの標本は関東大震災東京大空襲をくぐり抜け、データ化されて世界に公開されている。貴重な資料を後世に継いだ営みが誇らしい。
 (私は)思う。過去の保存、日の当たらない、何が目的か、地道な仕事である。しかし、博物館の中心的仕事、先ずは記録を完備して欲しいものである▼また、善光寺阿弥陀如来の御開帳のルールを決めて毎年管理すべきだろう。でも、多分もうないのではないか。無いから、見られないのではないだろうか。