『大衆の反逆』

『大衆の反逆』<2020年6月6日(土)>
 現代の権力者の強権に『筆洗(200606)』は一歩下がって考えよという。「闘牛士は最後の剣を繰り出す段になると、まず一歩後退した。・・・思想家オルテガが、・・・なにかに臨む時に、一歩下がって過去を見るところだという。<過去に根を下ろして生きる>人々であるとも(『大衆の反逆』)。<何事も、古き世のみぞ慕はしき>。徒然草にも、見習うべきは過去にあるという見方がいく度か登場する。・・・メキシコでマヤ文明最古にして最大の建造物を発見した・・・延べ一千万人以上の労働力がいる規模であるらしい。なのに高位の支配者など社会の身分差を示すものがない。強権のない社会で、人々は力を合わせて造ったということだろうか。・・・米国には、人種格差に根差した危機があり、人々を分断するような指導者の言動がある。香港の自由は強権の脅威を受けている。科学や技術は進んだが、社会はどうだろう。一歩下がって考えたくなる発見の報である」。
 (JN) オルテガは『大衆の反逆』で書いている。<生きているとは、われわれが自由を行使することを、つまりこの世界のなかでわれわれがそうなろうとするものを決定することを、宿命的に強いられていると感ずることである。ほんの一瞬間といえども、われわれの決定の行為を休むわけにはいかない。絶望して、成りゆきにまかせようすることさえ、決定しないという決定をしたわけである>と。
#権力者の強権

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