『下手なオーバーブッキング術は人生も狂わせる』

『下手なオーバーブッキング術は人生も狂わせる』<2017年4月14日(金)>
 ユナイテッド航空が行ったオーバーブッキングによる乗客引きずり下ろしについて、「春秋」(170414)は日本に私学の入学定員をかぶせて思う。「米国では昨年1年間に、予約便に乗れなかった人が4万人に上ったそうだ。効率だけを重んじた詰め込み運航もほどほどに、と願いたい。かつて、ある大学では定員超過に困り、新入生に他学部への転籍を促したことがあった。見通しが狂って、定員を大幅に上回ると悲惨である。教室から学生があふれ、国からは補助金削減の罰を食らう。歩留まりの推測はじつに綱渡りなのだ。」
 (JN) 現場は組織からの締め付けのために、何を大事にすべきかという目的を忘れて、愚かにも目標数値に支配されることがある。否、現場のみにあらず、組織全体が愚かにも目標数値に支配される。しかも、質を忘れた量のみにである。数値の出来不出来は、それぞれの個人の成績であり、個々が必死に競争し、時には仲間の足を引っ張ることもある。事情はどうあれ、ユナイテッド航空の現場のしたことは客に対する暴力行為である。こんな方法しかできなかったのか、行動が貧困である。資本主義社会における組織経営の維持は日々シビアであり、また個人も生活を守るために必死であり、数字調整の魔の手に襲われてしまう。何を優先して数字を良いものしていくか、多くの職場が同様の判断を日々行っている。私たちは組織の目的を忘れてはならない。