『西之島、過酷な環境にもかかわらず、イネ科のオヒシバが・・・』

<2016年11月5日(土)>
西之島、過酷な環境にもかかわらず、イネ科のオヒシバが生き残っていた』
 「百四歳まで生きた詩人のまど・みちおさんは、「イネ科の穂のあるような」草が好きだったという」話しから、稲の生命力について、「筆洗」(161105)は面積が十二倍ほどにもなった小笠原諸島西之島に、イネ科のオヒシバが生き残っていた」という話しへ展開する。「今は溶岩だけで土のないところも、鳥が巣を営み、フンをすることで、植物に必要なリンや窒素がもたらされる。人の手が入らぬ地で新たな生物相がどうできるか、世界的に貴重な観察の場ですと。はるか遠い島で草や鳥が織りなす生命の絵巻を、まどさんは天上から、飽きることなく見つめているかもしれぬ。」
 地球上は動いている。そして、生きものはどこへでもやって来る。西之島の変化は、科学者にとって貴重な観察の場であろうし、そうではない者にとってもわくわくするできごとである。これが東京湾のすぐ先で起きていたら大騒ぎとなろうが、遥か彼方で起きたこのダイナミズム、これどうからどうなって行くのか。色々思いを勝手に巡らす。日本の使える場所が12倍になったらどうなるのか。でも、その増えた土地が使えるようになるのはどのくらいかかるだろうか。その土地の争奪で、どんな方策を練らねばならぬだろうか。農業の方法はどのように変わって行くであろうか。否、自然はそのままにしておくべきであり、私たちの生活圏は12分の1に留めておくべきだろう、などと考える。(JN)