『議論は人々が心の奥にしまういら立ちや差別意識に火を付ける』

『議論は人々が心の奥にしまういら立ちや差別意識に火を付ける』
 「米共和党の大統領候補トランプ氏はここまで上り詰めるノウハウをプロレスから学んだ――」。「春秋」(日経/16/6/24)は、続ける。「トランプ氏がこの経験から白人労働者の心をつかむすべを覚えたとみる。大統領選での支持集会の空気はプロレス会場を思わせる。状況は英国も似ている。欧州連合(EU)から離れるかとどまるか。議論は人々が心の奥にしまういら立ちや差別意識に火を付け、「どちらが得か」という合理性がかすんだことも意見が拮抗した要因らしい。日本も今、まさに選挙の季節。駅前で候補者たちがマイクを握る。憎悪をあおる芝居めいた言葉か、理性に訴える言葉か。私たちも聞き手としての技量が要る」と。
 人は、理詰めでは動かない、如何に感情を動かすかだ。きれいごとや抽象理論を言ってもわからない。残念だが、敵を蹴散らす方便、それが人を動かす。権力者はパフォーマンスが上手であり、一般大衆に敵を作り、権力者側への仲意識を持たせ、弱者同士の連帯を作らせない。イギリスはEUとの離脱という国民投票の結果を得たが、日本の皆様は7月の選挙にどんな結果を出すであろうか。日本の住民は、プロレスリング宛らの興奮状態に持って行かれ、思うようにコントロールされてしまうであろうか。(JN)